私の推薦図書「イン・ザ・ブラック」で述べられている黒字永続のHowTo、
7番目の原則をご紹介します。
原則7:キャッシュフローがすべての基本だ
一時期キャッシュフロー経営という言葉がブームになった時期がありました。
私のホームページでもキャッシュフロー経営の実現云々と書かせていただいております。
あのブームは、
上場企業が従来の貸借対照表・損益計算書に加えて、
キャッシュフロー計算書の作成が義務付けられたことによります。
P/LとB/Sだけだと粉飾がばれにくくとも、
キャッシュフロー計算書が加われば、
粉飾してもばれやすいだろう、
結果的に粉飾しにくいだろうという、
本当はどちらかといえば後ろ向きの趣旨でした。
もっともそのようなことを全面に押し出せば、
経済界の反発必至ですから、
キャッシュフロー計算書を作れば、
キャッシュフロー経営という一歩進んだ考えの経営ができるのです、
と謳ったわけです。
さて本書の第7原則のメッセージは、
もっともっと本質的な話です。
黒字すなわち会社が儲かるというのは、
使えるキャッシュが年々増えていくことです。
逆に赤字というのは、
どんどん持っているキャッシュが減ることです。
また倒産するということは、
事業に必要なキャッシュがストップしてしまい、
日々の業務が続けられなくなることです。
やはりキャッシュがすべての基本だということ、
誰でも感覚的に「それはそうだ!」と賛成されることでしょう。
問題は、税務署や銀行・VCにはキャッシュではなくて損益による報告が必要になることです。
例えば3年、5年単位で比較すると損益とキャッシュフローはイコールになります。
しかし1年単位ではイコールになりません。
それが混乱の元、
この違いを先ず最初にしっかりと理解することです。
そうすればあとは何も怖くありません。
損益は儲かったか、儲からなかったかの意味ですが、
お金の動きには色がないといいますか、
直接儲けに関る営業キャッシュフローと、
将来の儲けに役立つだろう投資キャッシュフロー と、
お金の必要な時期を調整するための財務キャッシュフローの三種類があります。
先ずこれを理解すれば、
通帳の残高が増えているのを見て、ぬか喜びしなくて済みます。
損益は大きければおおきいほどいいですが、
キャッシュフローは回転して安定して動き続けることが大事です。
現金のまま持っていてもお金は増えませんが、
そうはいっても在庫や不動産は沢山持っていると、
目減りする危険があります。
現金も在庫も不動産のような固定資産も、
要はできるだけ身軽に回転させることがキャッシュフロー経営のコツなんですね。