会計士税理士コンサルタントは出張が多い。
出張先では昼間の緊張をほぐすのと、
地元のカルチャーを理解する名目で、
美味しいお店を探すのが常なのだが、
今回は最もお寂しい雰囲気だ。
観光地の夜ってこんなに寂しいものかなーといぶかりながら、
駅前の食事どころでビールを引っ掛ける。
昼間はただの喫茶店、
夜は定食屋に変身するお店。
カキフライをつまみにジョッキを明けるが、
全く盛り上がらない。
全員頭にひっかかっていることは同じだけど、
口にするのが怖いような気がしてならないのか・・・・。
というのもこの寂しい夕食のあとは、
各自あのぼろホテルの部屋に戻って、
もっと寂しい状態で一夜を過ごさなければならないことを、
よくわかってるせいもあったかもしれない。
そして観光地の名物でも何でもないカキフライを食べ終わって、
夜道をホテルに戻る。
結局何の話をしたか全く記憶になかった。
もとより財務調査の際、
仕事の話は外ではご法度である。
特に地方ではよそ者は目立つから、
どの店で何を口にしたか、
翌日にはすべての関係者が知っているということも
珍しくはないのだ。
さてやっとホテルに着くと廊下は薄暗かったが、
少なくとも室内はやや狭い以外は普通の作りだった。
できればごくごく普通に一夜を過ごして、
気持ちの良い朝を迎えたいのだが、
今夜の雰囲気ではそれはとてもじゃないが、
無理のようだ。
さてさて・・・ともかくホテル備え付けのユニットバスで、
シャワーを浴びることにした。
それは私が奥の鏡に向かって立ちながらシャワーを浴びているときだった。
鏡に映っている自分の背中側後方に見えるシャワー用のカーテンの隙間から、
一瞬!何かが見えた気がしたのだ。
一遍に背中が、ぞわ〜〜〜っとなる
う〜〜〜今考えても思い出したくない・・
次回に続く。