某観光施設買収の案件にあたったことがありました。
メンバーは公認会計士の私と税理士、司法書士とスタッフの合計4人でした。
その観光施設の事務所のある建物で調査作業をしたのですが、
そこは○○海洋公園というスキューバダイビングのメッカの事務所でもあり、
作業部屋の窓の外に目をやると眼下には青い青い海と白波の磯が広がっていました。
建物はやけに古くがらんどうで何となく田舎の小中学校のような趣がありました。
いやーとてもじゃないが仕事する気分じゃないね、と冗談を言えたのも、
初日の昼過ぎまででした。
会社の経理部長が「今日は何時まで作業されますか?」という質問から雲行きが怪しくなります。
「3日間の初日ですからせいぜい7時位にしておきましょうか」と、
本来ならば夜10時でも11時でもと言いたいところを、
相手の様子を見るために控えめに答えたところ、
「私たちは全員6時には帰りますから、皆さんもそうなさってください。」と有無を言わせぬ口ぶりです。
さすがに6時では早すぎる気がしたので、
「せめて7時では?」と食い下がったところ、
言うべきか否か随分躊躇したあと、
部長は気恥ずかしそうに小さい声で言いました。
「実は出るのですよ。見た者が何人もいます。ここは6時になると外は全く明かりがないので本当に真っ暗です。とてもじゃないが最後に一人で残るのはまっぴらごめんですよ。」
公認会計士、税理士も生身の人間です。
すっかり調査どころではない雰囲気になってきました。
続く・・・
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