2006年06月29日

いつも管理会計について想うこと

私のホームページに「管理会計で・・・」というフレーズが大きくありますが、少し私の管理会計についての考え方をご説明します。  

まず結論を申し上げます。  
管理会計とは、コミュニケーションに役立てる便利な道具・ツールです。  
どのようなコミュニケーションかというと、会社の業績を上げるための前向きな議論です。  
ですから私のいう管理会計というのは、管理会計のコンピュータシステムのことではありません。コンピュータシステムも管理会計の実現に役立つ道具の一つに過ぎません。  
仏作って魂入れずといいますが、この実例には事欠きません。  
私が一緒に作りたいのは、この管理会計の魂です。  
それは会社の人たちが数字を使って、アクションにつながる具体的で前向きな議論ができる状態を目指します。  

管理会計というと文字の形や管理は堅苦しいというイメージから、窮屈で堅い印象を受けます。  
私も若い時分は管理される立場のほうが多かったわけで、自分のことはそっちのけで管理する人に対する不満を募らせていましたし、現在は現在で、会社での部下、プロジェクトチームのスタッフ、クライアントの社員さん等いろんなケースで人やプロジェクトを管理する苦労にさらされています。つまりどんな立場でも管理という言葉にはマイナスイメージがついてまわります。  
ですから管理会計を導入するというとそこの社員さんも今までよりも窮屈で仕事がしづらくなる不安を持ったり、導入を決めた社長はじめ幹部の方も今までの自分のやり方を否定されてやはり仕事がしづらくなるのではないかと危惧するかもしれません。  
ですが社員さんの不安も社長さん等の危惧も全く当たっていません。  
なぜなら管理会計というのは、法律等のルールでがんじがらめの制度会計・財務会計、税務署に提出する決算書とは全く違うものだからです。  
極端に言えば社長さん、社員さんが仕事をし易くして会社が儲かるためには何をしてもいい世界です。  
例えば売上高の測り方でも制度会計では、原則として出荷時に出荷約定金額で計上しなければならないと決まっています。少しでも違ったらその間違いを四方八方から指摘されて恥をかきます。しかし管理会計では、時期について生産完了時でも先方倉庫到着時でもいいですし、金額も約定金額ではなくて任意の社内設定額でもいいわけです。  

管理会計には大切なポイントが3つあります。  
1つ目は管理会計で作成した数字がどういう意味なのか、見た人がよくわかるということです。つまり見る人の理解レベル、視点レベル、要求レベルに合ってるということです。  
2つ目はそれを見た複数の人が数字の意味するところを同じようにわかるということです。  
同じ土俵、同じフレームワーク、最低限のルールを提供します。  
これで噛み合わない議論の空中戦を防ぐことができます。  
3つ目は関係者に限りなく早く知らせることです。  
なぜならば管理会計は今から先の未来のアクションに役立ててもらうためにあるからです。  

余談ですが、1つ目のポイントに関連して、自分を振り返るとわかると思いますが、人間誰でも物事を自分の見たいように又は理解しやすいように曲解しがちだということ。また見たいと思うものしか目に入らないということです。  
これはその人次第ということもありますが、そもそも人間の脳がそのような構造になっていて、既知のこと今関心のあること以外のデータを自動的にシャットアウトしないと脳の画像処理が追いつかないという話をきいたことがあります。  

話を元に戻しますと、業務経験、仕事観、知識能力、はたまた性格等々一人として同じ人間がいない中で同じ理解の下で数字の議論をするためには、通常の制度で定められた会計ルールでは、逆にわかりにくくなりかねません。  
制度会計は世の中の大多数の人が会社の業績を理解できるように長い歴史を重ねて改良した結果、皮肉なことに非常に複雑な部分とえいやーっと割り切った部分とが混在していて、時間をかけて作成ルールを勉強した方でないと逆にわかりにくくなっています。  
大多数の人が各自それぞれの目的で決算書を見ても役に立つように、網羅的に欲張りになっているため、とっつきにくく、見たとしても焦点がぼやけてしまうのです。  

さて一方の管理会計は、自由に設計できます。  
ここまで読みますと、それならば当社にも管理会計はあるぞと自信をもって仰る方が出てきます。  

確かにいくつ売れた、いくら売れた、何個作ったという何らかの資料を作っていると思います。しかし先月何個作って何個売れていくら儲かったか?、今月来月何個売れそうか?何個作ればいいか?この分だといくら儲かりそうか?お金はいくら残りそうか?がストレスなくわかっている会社がどれだけあるでしょうか。  

管理会計は自由に設計できるからこそ、逆に各社各様に試行錯誤してあーでもないこーでもないという議論に終止符を打てず、十分に機能しているとは言えないのが大半です。とは言え各社各様にまた先人が試行錯誤する中で、管理会計にも社内でこのように数字を整理して報告すれば役立つというノウハウが貯まってきています。そのうち社長さん、社員さん、会社内のシステム、ルールに合うノウハウ、カスタマイズしたノウハウを導入すれば、「いったいどうなってるんだ?」というぼやきともつかない言葉は社内から大幅に減るはずです。  

あと管理会計の導入というと大部分の方が心配されるのは、管理会計の導入イコール大規模なコンピューターシステムの導入なのではないかという誤解です。すなわち大変な時間と労力と多額の予算がかかること、なおかつシステム導入後果たして期待どおりの効果があるのか不透明だということです。  

業種にもよりますが、売上高が数10億円規模であれば専用のコンピューターシステムは不要です。100億円超のメーカーでも、必ずしも専用のコンピューターシステムを開発しなければ不可能かと言えばそんなことはありません。

最近のパソコンソフトは非常に高キャパシティですので、アクセスDBでも大部分のことが可能です。


ここで大事なのは、コンピューターシステムを入れればすべてが解決するわけではないということです。大切なのは、コンピューターにどんな現場のデータを入れて、どのように計算させるのがよいのか、そしてその計算結果から何を読み取りどんな議論をし、どういうアクションに結びつけるのかです。これって全部ひとつひとつ会社の人間が頭、目、口、手足を動かさないといけないことですよね。


売上高数百億円企業に伺うと、オフコンが整備されていて毎月売上データ生産データのA3横の帳票が山のように印刷されてきます。でもその数字の意味を何の気なしに伺ったり、数字と数字の関係を伺うと返答に詰まられて、下手なことを言ってしまったなと反省することがあります。本当にじっくり聞きたいことは別の部分であるのに、前振りの些細な部分で時間を食うことになったりして・・・。

結局そこはブラックボックスなので詳細な計算ロジックはわからない、たぶんこうなのではないかという返事でお茶を濁らせられたりします。

また会議の場では、折角立派なオフコンデータがあってもそれを見ずに、別の慣れないエクセルと格闘して作成したワークシートで、作成者しかわからない数字の説明が始まったりします。

良かれと思って作成したオフコンが逆に手かせ足かせになってるようで、本末転倒していました。


さて話は尽きませんので、続きはまた日を改めます。

繰り返しますが、管理会計は社内での「いったいどうなってるんだ?!」という無用な言葉とストレスを減らし、アクションに結びつく前向き具体的な議論を円滑にするための手作りの道具です。

あまり難しく考えないことです。

会社の方と議論していますと、結果的にはどんどん複雑になっていきます。

時々相手の方が本当にわかってるのか、と感じる時があります。

相手の方がわかってないのか、自分の理解がついていけないのか。

でもわからないのにわかった振りするのは止めましょう。

わからないのは恥でもなんでもありません。

いやクライアントの利益になる結果を出すためには、些細な恥は恥だとは思わない。

という信念を持って今日も「基本的な質問で恐縮ですが・・・しつこいようで恐縮ですが・・・念のため確認させていただきますが・・・」を繰り返しています。

 
posted by 赤沼 at 12:15| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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